[イベント報告]クリーニングデイ・ブックス オンライン版 #1

これまで、アップサイクルのコンセプトを大切にした本の交換会を開催してきた「クリーニングデイ・ブックス」。
この1年ほどは、新型コロナウイルスの感染拡大の状況をふまえて活動を休止していましたが、オンラインで再開しました!
対面での本の交換会を実施するのは依然として難しい状況ですが、私たちがこれまで「クリーニングデイ・ブックス」の活動で大切にしてきた、「本を通して人と出会い、人を通して本と出会う場」をつくることはオンラインでもできるのではないかと思うようになったからです。

2021年2月21日16:00-18:00にZoomにて、初めてのオンライン版「クリーニングデイ・ブックス」を開催しました。
運営メンバーを含めて、12名が参加しました。
同日開催のクリーニングデイ・ジャパン による「クリーニングデイ大会議」のオンライン版から連続で参加してくださった方々も。
首都圏からのご参加がほとんどでしたが、北海道から参加してくださった方もいらっしゃいました。
距離の隔たりに関係なく集うことができたのはオンライン版ならではの醍醐味です。

これまでの対面での本の交換会と同様に、自分の家の本棚を「クリーニング(掃除・整理)」して、自分にはもう必要ないなと思う本を持ち寄りました。
これまでの対面での「クリーニングデイ・ブックス」は、以下のような流れで進んでいました。
参加者は、特製カードに、自分には必要なくなった本の次のもらい手になってくれる人に向けたメッセージと、本の中のお気に入りのフレーズなどを書き込みます。そのカードを本にはさんで、手放します。参加者が手放した本とカードを、みんなで閲覧し、一人ひとり自分が気になる1冊を選んで手に取ります。その後、一人ずつ、なぜその本を手に取ったのかということを中心に語ります。
このような流れで、これまでの会では、自分が手放した本についての語りよりも、新たに手に取った本をきっかけとした語りがメインになる本の交換会でした。

今回のオンライン版では、直接、本の交換はできなかったので、手放そうと思っている本について紹介し合いました。それぞれがその本を手に入れた経緯や、その本を通して感じたこと、考えたこと、なぜ手放すのかを語り、互いにじっくり聞く時間になりました。
今回持ち寄られた本のリストです。
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『企画書は1行』 野地秩嘉
『泣く大人』 江國香織
『編集とはどのような仕事なのか』鷲尾賢也
『チョコレートからヘロインまで』 A・ワイル、W・ローセン
『LIP Vol.11 (2014年発行)』参考: http://tanaka-asia.com/
『すごい人の頭ん中』ビジョネット
『NEW ELITE』ピョートル
『7つの国境』増井和子
『推し、燃ゆ』宇佐見りん
『強いチームはオフィスを捨てる』ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
『大人もおどろく「夏休み子ども科学電話相談」 鋭い質問、かわいい疑問、難問奇問に各界の個性あふれる専門家が回答!』 NHKラジオセンター「夏休み子ども科学電話相談」制作班
『裸一貫!つづ井さん 1』つづ井
『ないしょの話〜山本ルンルン作品集〜』山本ルンルン
『すーちゃんとねこ』佐野洋子
『ほどよい量をつくる』甲斐かおり
『Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150』Willium Lidwell
『緩やかな日々』アキフミキング
『美味しんぼ』(41〜45巻) 雁屋哲
『見えないものに、耳をすます』大友良英・稲葉俊郎
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会の後半では、自分にはもう必要なくなった本を、他の誰かのために役立てる方法について様々なアイディアを交換しました。
お気に入りの古本屋さんに託す、メルカリに出す、友人にあげる、実家に送る(未来の自分の役に立つかもという期待)、学校への寄付、「ご自由にどうぞ」ボックスの設置、本を章ごとなどに分割して「ミニ本」にすると興味のある人が持っていきやすい、絵本などはコラージュの作成やランチョンマットなどの作成で活用、など。
事例紹介の記事もシェアされました。
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登山中に本を買える?山頂の本屋さん「杣山Books」

本が好きな人は書くことも好きなはずということで、参加者の加藤文俊さんから、「ことばを研ぐ」試みとして実践されている「300moji」という活動のご紹介もいただきました。
今後「クリーニングデイ・ブックス」で、ふりかえりの言葉を300mojiで表現するという試みも楽しそうです。

今回は初めてのオンライン版「クリーニングデイ・ブックス」でしたが、対面の会と変わらず、「本を通して人と出会い、人を通して本と出会う場」の魅力を感じることができた2時間でした。
オンライン版で、モノとしての本をどのように交換するか、循環させるかについては、まだまだ、「これ!」という方法には辿り着いていませんが、参加者の皆さんからいただいたアイディアを参考にしながら、引き続き考えてみたいと思います。
そして、やはり対面の会も早く実現させたいという思いが高まりましたので、一昨年の会場であった「芝の家」で新たに作られている「芝のはらっぱ」のような素敵な屋外空間での開催を目指したいです。

ご参加のみなさん、ありがとうございました。
また、オンラインでも素敵な会場でも、本を囲んで楽しい時間を過ごせることを願っています。

クリーニングデイ・ブックス 大橋・鈴木・山田

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